デパートの起源

デパート(Department stores)の起源はイギリスにあると言われています。現代の総合百貨店というよりも専門店に近いのですが、最も古い記録は1734年、ダービーの金物屋です。

そして、より現代の形態に近いものとして、1796年にロンドンのポールモールにオープンしたハーディング(Harding)が挙げられます。この店では、4つの部門に分かれて毛皮と扇子、ドレス用の布地、小物入れ、宝石と時計、香水と帽子などを販売していたそうです。

現代に通じるデパートという形態で最初に販売をはじめたのは、1852年、パリのボン・マルシェ百貨店だと言われています。デパートをどのように定義するかにもよりますが、大量の商品を並べて消費を促す仕組みは産業革命と共に発展してきたものです。

一方で、日本における最初のデパートは、江戸時代末期、1683年の越後屋呉服店でした。

越後屋の創始者三井高利は、それまでの大名や金持ちだけの販売、そして盆、暮れの2回払いなどをやめ、商売の対象を庶民に絞りました。

そして越後屋は反物の切り売りなどの方法は取らないなどの大改革をしました。値引きをしないという事が「高級感」に結びつき、またその「高級感」が庶民の間でも味わえるという事もあり、「デパート」の形態を取った店は、大きく発展するに至りました。

越後屋はその後「三越」と名前を変え、現在でもデパートの御三家の一つとして影響力を保持しています。しかし、デパート業界も不況のあおりを受けて、ディスカウントショップの勢力に押されてきた現代では、伝統を守りつつ、様々な時代の変化に合わせた対応で生き残りを掛けています。