気のおけない人の本当の意味

「あの人は気のおけない人だ」という言葉を聞いたことはありませんか?

「気のおけない」とは一体どんな意味なのでしょうか?

上記の文章を見て「油断してはいけない人」と解釈する人は意外に多いようです。否定の意味を持つ「ない」が入っているためでしょうか、そういう意味に取られがちですが、実際には間違いです。

本来「気を置く」には「気づかう」という意味があるので、「気が置ける」を辞書で調べると、何となくうちとけられない、遠慮される、という意味が示されます。

「気が置けない」は、それとは反対に「気づかう必要がない」「遠慮のいらない」という意味になるので、「気のおけない人」というのは親しい友人を表す言葉になるのです。

というわけで、「気のおけない」に使われる「気」は安心や信頼を表すものではなく、相手を気づかう心を表しているのでした。それをさせない人というのは、よっぽど人好きのする隙のない人物なのでしょう。

同じように、逆の意味に解釈しそうな言葉に「情けは人のためならず」があります。これは「情けをかけるのは、その人のためにならない」という意味ではなく、「人に情けをかければ、いずれ自分のところにもまわってくる」という意味です。つまり、他人ではなく自分のための報いの言葉なのです。