大黒様の大袋の中身

七福神でもお馴染みの大黒様は、食物や財福を司る神様で、「大黒天」「大黒さん」とも呼ばれます。

一般的に大黒様の姿は、頭巾をかぶり、右手に打ち出の小槌を持ち、左肩に大きな袋を担いで、米俵の上にどっかりと座っているイメージです。

そして気になるのが、肩に担いでいる大きな袋の中身です。一体何が入っているのでしょうか。

サンタクロースであれば子どもたちにあげるプレゼントですよね。

大黒様の場合は、人間にとって最も大切な七つの宝物である「七宝(しっぽう)」が入っているそうです。

七宝といっても金属の素地をガラス細工で飾り付ける装飾技法のことではありません。仏教の経典によると、金、銀、瑠璃(るり)、玻璃(はり)、硨磲(しゃこ)、珊瑚(さんご)、瑪瑙(めのう)の7種、あるいは、金、銀、瑪瑙、瑠璃、硨磲、真珠、玫瑰(まいかい)の7種が収められているとのこと。

一説によると、寿命、人望、清麗、威光、愛嬌、大量などの精神的な宝が入っているというものもあります。人を豊かにするのは物質ではなく精神というわけですね。

ちなみに、大黒天の元ネタはヒンドゥー教のシヴァ神です。密教を経由して日本に輸入される祭に、独自の解釈で今の姿になりました。