世界の七不思議その7 アレクサンドリアの大灯台

海を渡って他国の領土を侵略する話は、神話に限らず紀元前から多くの逸話が残っています。そのため、港に立つ灯台の歴史も思ったよりも深く古いのです。

アレクサンドリアの大灯台は、紀元前3世紀のころにエジプトのアレクサンドリア湾岸のファロス島に建てられました。

それを指示したのはプトレマイオス1世、指揮したのはクニドスのソストラトスです。

完成したのは先代の死後、プトレマイオス2世の代でした。ソストラトスも建設中に完成を見る前に亡くなりました。彼の名がなぜ知られているかというと、灯台に刻み込まれていた「クニドスのデクシファスの息子ソストラトス、あらゆる海を行く人々の守る神に捧ぐ」の銘文が発見されたからです。

全高およそ130mの灯台は、当時ギザの大ピラミッド(約147m)を除くと、地球上で最も高い人工物の1つだったそうです。そこから放たれる光は、およそ50km以上先からでも確認できたといいます。

建材の大部分は大理石で、四角く積み上げた下層部の上に、ひとまわり細い八角柱の中層部を組み立て、さらに細い円柱形の上層部がそびえています。今ある灯台とは大きく違う構造です。イメージとしてはエンパイア・ステート・ビルに近いものを感じます。

その後、大灯台は796年の地震で半壊し、1303年と1323年の地震によって完全に崩壊しました。よって、当時の実物がどれくらいの高さだったのか、真相を知ることはできません。上記に記したのは、あくまで記録や伝聞をたよりに現代人が予想したものです。