世界の七不思議その6 ロドス島のヘリオスの巨像
エーゲ海の南東部に浮かぶロドス島の港に、巨像が立っている想像図があります。
全長34メートル、台座まで含めると50メートルにもなり、ニューヨークの自由の女神像に匹敵する大きさだったそうです。
紀元前300年ごろ、プトレマイオスおよびデメトリオスの進軍に勝利したロドスの住人は、港の守護神として太陽神ヘーリオスの彫像を造ることにしました。建造を指揮したのは、彫刻家リンドスのカレス。彼は20メートルを超えるゼウス像を建造したリュシッポスの弟子です。
見事完成した像は、単に当時最大のものであるばかりか、人によって形づくられた彫像のうち最も完全な形のものだったそうです。
着工から12年で完成した像は、しかし58年後に地震で倒壊してしまいます。再建計画は、神に似せた彫像を作ったがために、神の怒りに触れたのだろうと考えた住人により凍結されました。そのため、この巨像は800年のあいだ倒壊したまま放置されたそうです。
それが話題となり見物人も多く訪れたと言います。当時その残骸に触れた人たちが、その大きさを様々な体験談として語りました。
そして、時代の偏位とともに残骸が消失し、伝聞が伝説に変わり今まで受け継がれてきたのです。
有名なのは、港の入口をまたぐように両足を踏みしめた巨像の股の下を船が出入りしている想像図です。実際は、一つの土台に建てられた立像という説が有力なのですが、絵面の面白さやインパクトは前者の方が勝ります。
よって、実際にロドス島の巨像がどんな姿をしていたのか、仮説の粋をでることはないでしょう。