正座で足がしびれるわけ

椅子に腰掛けて過ごす時間が多くなった近頃の人は、少し正座をしているとすぐに足が痺れ(しびれ)てしまうことでしょう。

この「しびれ」という状態は、どういうメカニズムで起こるのでしょうか。

畳の上にきちんと座っている姿勢を見ると、両足の甲が畳にぴったりとついています。足の甲の皮膚の下はすぐに骨。身体の重みに圧迫された皮膚の下の血管は血のめぐりが極端に悪くなり、やがて皮膚から物を感じる知覚神経に麻痺がきて、ビリビリと電気に打たれるようになります。

これが痺れの原因です。

この痺れを我慢していると、筋肉を動かす運動神経も麻痺して、ついには立てなくなってしまいます。もっと我慢していると、次には太腿の後ろ側を走っている坐骨神経が麻痺して、完全に足全体から腰へかけて動かなくなります。

こんな時に地震が来たら大変です。痺れにくくする方法は、とにかく血流を確保することです。上手い人は、左右の足の指を乗せ換えたり、体重の掛かる位置をこまめにずらしたりして、足が完全に痺れる前に血の巡る余地を作っています。

正座は、日本の伝統的な建築による畳敷きの床を想定した座り方です。海外でも日本のフォーマルな座り方の一種と説明されます。インドなどヨガや礼拝の儀式で見られるものもありますが、長時間座りっぱなしの状況が存在するのは日本特有の文化なようです。