社長と労働者の賃金の差

会社組織の中で最も給料が高いのは代表を務める社長のはずです。特に驚くことではありません。

しかし、日本とアメリカで結果を比較してみると、そこには大きな違いがあります。

適期的に行われている国際企業の役員報酬調査によると、アメリカの上位企業のトップの平均年収は、日本円にして約15億円(記事記載時)。平均的なブルーカラーの年収の、およそ400倍に上ります。

本当にうらやましい限りのお話ですが、この話、社長が受け取るのは「給料」といわずに「報酬」と言い表すところに、ちょっとしたカラクリがあります。

社長の受け取る報酬とは、労働に対する対価ばかりではありません。先ほど紹介した社長たちの平均年収のほとんどは、自社株式の売却などで得られた副次的な収入なのです。役員報酬による収入は、全収入のわずか20%にしかならないと言います。

この賃金の差は、先ほど紹介したアメリカの400倍に対して、イギリスは35倍、日本の場合は20倍ほどになっているようです。

日本では会社の代表取締役といえば「社長」という肩書きが一般的ですが、アメリカでは「CEO」という肩書きがメジャーであり、実は「CEO」の方が「社長(President)」よりも偉いのです。

そして、日本の社長の多くが社員から昇進した、いわゆる「雇われ」の代表であるのに対して、アメリカでは創業者などの持ち株比率の高い人物が舵取りをすることが多く、そのため報酬にも開きがあります。

労働者が受け取る給料は労働に対する対価であり、そのことを「サラリー」と言います。

社長の仕事は、サラリーをもらう従業員とは違う次元にあるので、受け取る報酬の概念も異なり、受け取る金額も違うのです。