そば湯は栄養満点なの?

健康ブームが来てから蕎麦(そば)を食する人が増えたと言います。

「もり蕎麦」や「せいろ蕎麦」を食したあとに、残った麺汁にそば湯を入れて飲む。そば好きの人には、そばの醍醐味を味わう、何とも言えない一時を与えてくれるものです。

ところで、同じような麺類にもかかわらず、うどんやそうめん、ラーメンなどの茹でたお湯を飲むということは聞いたことがありません。この「蕎麦湯」は、どうして飲まれるようになったのでしょうか。

蕎麦湯は、蕎麦の麺を茹でたお湯のことです。これを飲む習慣は、江戸時代の中期に信州で始まったとされています。

古い文献によると、「蕎麦を食べた後に、蕎麦湯を飲まないと病にかかる。食べすぎても、蕎麦湯を飲めば害はない」ということが書かれているようですが、信憑性がありません。

その頃には、蕎麦にどれだけの栄養素が含まれているのか知る余地もなく、どうして蕎麦湯を飲むようになったのか、理由ははっきりしていません。

現代では、蕎麦粉には、ビタミンB1・B2・ルチンなどの栄養素がたっぷり含まれていることが知られています。これら栄養素は、水に溶けやすいという性質の為、蕎麦を茹でるときにお湯の中へ溶け出してしまいます。これを補う為に、そば湯を飲んでいるという説があります。