なぜエジプトは砂漠化してしまったのか
エジプトという名前を聞いて最初に思い浮かべるのは、ピラミッドと砂漠ではないでしょうか。
エジプトにはアフリカ大陸で最長級のナイル川が流れています。水源があるはずなのにも関わらず、その岸辺のごく一部を除いて、乾燥した土地が広がっています。
この一帯は、ずっと砂漠だったのでしょうか。
古代の歴史を紐解いてみると、そうでもないようです。かつて世界でも有数な農業国家が栄えていたという説もあるほど。
それを破壊したのは、古代エジプトのピラミッド建設だと言われています。
ピラミッドの建設には、とにかく膨大な木材が必要となります。
石を切り出すために、まず岩の上で木を燃やして岩を熱し、そこに水をかけて急速に冷やします。ヒビを入れるためです。
さらに岩の運搬にも、木材をテコにして使ったり、岩の下に敷いて転がしたと言われます。
その結果、豊かな森林資源も枯渇してしまい、雨が降っても地中に水分をためこむことができなったため、急速に大地は乾燥していったのです。
あれだけの大きな物が、証拠として残っていることから、この説には一定の説得力を感じます。森を枯らしてまで、死後も何かを残したいと思う人間の欲望。
それは過去の話だけではなく、現代も世界のどこかで進行している諸行の一つです。