ポテトチップスを考えたのは誰?
「必要は発明の母」といいますが、さして必要でなくても偉大なる発明をすることがあります。
ビールのつまみや、おやつにぴったりの、あのポテトチップスを発明したのは、いったい誰なんでしょうか?
諸説ありますが、アメリカのニューヨーク州のサラトガ温泉にあるホテルのシェフ、ジョージ・クラムが考案したという話が有名です。
1853年。彼は、いつものようにジャガイモを輪切りにしていたところ、誤ってその小片をフライ鍋に落としてしまったそうです。「おっと、いけねえ」とばかり急いで拾い上げ、ついでに口に運んでみると、これがじつに美味。そこで「よし、いっちょ試してみるか」とばかりに、ジャガイモを薄切りにし、さっと油で揚げたものを料理に添て出してみました。すると客の反応は上々。これが商品になったという説。
あるいは、ある富豪の客がフライドポテトが厚すぎると苦情を入れて何度も作り直しを命じたため、うんざりしたクラムは、フォークで刺せないようなカリカリに揚げたポテトを、嫌がらせのつもりで客に出した。すると、客は逆に喜んでそれを食べた、という説。
いずれにせよ、それは「サラトガ・チップス」と名付けられてメニューに載り、ニューイングランド地方でごく一般的な料理になりました。
1900年代に入ると、たくさんの業者がポテトチップスを製造するようになり、1920年代には鮮度を保つための袋入りの商品が出たことで、今の形につながります。
日本では第二次世界大戦直後、浜田音四郎がアメリカン・ポテトチップスを立ち上げ、最初に手がけました。
そして1967年に湖池屋が、1975年にカルビーが量産化を進めたことで、今日の姿に至ったのです。