ニセ札を発見した場合どうする?

日本の紙幣は比較的安全で偽札は少ない方だと言われています。

しかし、1993年に発生した事件は未解決のまま終わりを迎えましたし、2000年代に入ってからも偽造通貨行使の犯行で何名かが逮捕されています。

私たちが日常生活の中で偽札(ニセさつ)を受け取ってしまった場合、どうすれば良いのでしょうか?

実は、銀行に偽札を持っていっても本物と取り替えてくれる制度はありません。日本銀行の本店に直接持ち込むと無料で鑑定を行ってくれるそうですが、真券と引き換えというわけにはいかず、損失補償もありません。

そんなの正直者が損をするだけじゃないか、と思いますよね。

これはれっきとした犯罪行為の証拠なので、やはり警察に持ち込んだとします。

偽造された一万円札を警察に届けた場合、本物の一万円札と交換してもらえるそうです。

これで一安心…… と思えたのも過去の話。

警察に持ち込んだ偽札を本物と替えてもらえるのは、損失補償ではなく、あくまで捜査に協力した「謝礼金」として予算が組まれているから。

捜査の協力金なので、事件が解決している古い偽札などは対象外。しかも1977年に制定されたこの制度、なんと今は運用が止まっているそうなのです。

つまり、偶然にも偽札を見つけてしまった場合、本来受け取るはずだったお金は返ってこない……ということになってしまいます。運が悪かった、で諦めがつくでしょうか。

ちなみに、偽物とわかっていてそれを他人に渡した場合、刑法152条には「貨幣、紙幣又は銀行券を収得した後に、それが偽造又は変造のものであることを知って、これを行使し、又は行使の目的で人に交付した者は、その額面価格の3倍以下の罰金又は科料に処する」と記されています。

意外と軽いかも? いやいや、もし偽札を発見してしまったら、すぐに警察へ届け出ましょう!