日本人で初めてルイ・ヴィトンを買った男
顧客管理に定評のあるルイ・ヴィトンの顧客名簿には、1883年(明治16年)1月30日に日本人の男性がパリの店を訪れて購入したことが記録されています。
しかもそれは、明治維新で活躍した人物なのです。
その人物とは……
ルイ・ヴィトンのバックを初めて買った日本人は、後藤象二郎(1838年〜1897年)です。
明治16年のこと、自由民権運動を唱えた同郷(高知県)の板垣退助の欧州視察旅行に同行した彼は、ルイ・ヴィトンのストライプ模様のトランクを購入した、と顧客管理名簿に記されています。
有名なLとVのデザイン(モノグラム)が発売されたのは、もっと後になってからのこと。彼が購入した現物は残っていないようですが、板垣の購入した鞄の方は、高知市立自由民権記念館に現存しているとのこと。
しかし、近年になってそれよりも前の記録が発見されました。
遡ること5年前。1878年に鮫島尚信(在仏特命全権公使)と中野健明(一等書記官)が購入していたことが、当時の顧客名簿から明らかとなりました。
よって、現在のところ日本初の記録は上記の二名になるでしょう。