テフロン加工
くっつかないフライパンとして一躍有名になったテフロン加工のフライパンですが、「テフロン」とは一体どんな意味があるのでしょうか。
テフロン(Teflon)という言葉は普通名詞ではなく、アメリカのデュポン社が考案した商標名です。それがあまりにも急速に認知されたため、くっつかないフライパンといえばテフロンと言われるようになったのです。
コカ・コーラ以外の清涼飲料水を「コーラ」と言ったり、ブルドーザーなどの無限軌道走行装置を「キャタピラー」と呼ぶ現象に似ています。
テフロンに使われているのは、1941年に同社が特許を取得したポリテトラフルオロエチレン(PTFE)という素材です。当初は加工が困難で高価な素材でしたが、軍事的な研究開発を経て一般家庭向けの商品にも使われるようになりました。
テフロン加工の他に、フッ素樹脂コーティングを売りにする商品もありますが、基本的に両者は同じです。PTFEはフッ素樹脂の一種だからです。
テフロン加工は、アルミで作ったフライパンの表面に、フッ素樹脂を塗布し乾燥、焼成することで完成します。
ところで、どうしてテフロン加工のフライパンは焦げつかないのでしょうか。
物と物がくっつくのは、その物同士の界面で化学的な相互作用が起こるからです。フッ素樹脂は、炭素原子とフッ素原子から出来ていて、水素を含んでいないため酸素と反応しません。そのため、別のものとくっつく性質が弱いのです。
また、表面に細かい凹凸をつける加工が施してあるため、接地面の角が大きくなります。更に、シリコーンで表面をコーティングしている場合もあり、物のすべりを良くします。
ちなみに、くっつかないフライパンを選ぶ際にテフロン以外に選べるブランドはあるのでしょうか。
例えば、先程挙げたフッ素加工の他に、シルバーストーン、プラチナストーンといった物があります。