虫が仰向けになる理由
世界にはいろいろな「虫」がいますが、中でも代表格といえるのが「昆虫」の部類です。
人類には昆虫を料理して食べる文化があります。貴重なたんぱく源にもなるので、もちろん日本でも昆虫を食べる風習はあります。
これを聞いて鳥肌が立つような人もいると思いますが、昆虫を嫌いな理由として「足が気持ち悪い」という人はかなりいるようですね。
ところで、カブトムシ、セミ、コオロギ、テントウムシなど昆虫の死骸はほとんど決まってあおむけの格好をしています。見た目にもあまりお勧めでないこの状態に敢えてなる昆虫、一体どういう事なんでしょうか。
結論から言えば、昆虫にとってはこれが一番楽な格好、本当の休息の姿、というわけなのです。
昆虫には三対・六本の足があります。細くて数が多いのは、体重を分散させ、どんなところでも軽々とバランスを取るためです。
絡めることなく動き回ることの出来るこの足も、人間と同様、筋肉が関節を統制しています。ところが死ぬと、その筋肉は化学変化を起こして収縮します。そのため、足は内側に折れ曲がり、体重を支えられなくなり、コロリとひっくり返るのです。
昆虫には、危険が迫るとあおむけになって死んだフリをするものもいます。これを擬死といいますが、よくよく観察をしてみると、足の位置が、本当に死んでいる時とは違うらしいのです。
もっとも、昆虫の嫌いな人にとっては近くで見るのもイヤかも知れませんけどね。