中国と自転車
戦後、中国よりも先に経済発展を遂げた日本は、その過程で多くの発展途上の様子を見てきました。
中国と言えば日本の隣国であり、アジアでも最大級の面積を持つ大国です。
その中国を紹介する写真や映像で、かつて沢山の人たちが自転車に乗っている風景を見たことはないでしょうか。
もの凄い数の自転車が、巨大な道路や交差点を行き来する模様は、当時の人でなくともインパクトを感じます。
なぜ中国ではこんなにも多くの人が自転車に乗っていたのでしょうか。
まず1つは人口の問題。世界最多の人口を誇る中国ですから、その都市部ともなれば、バスが走っていたとしても常に満員状態。交通規則やマナーもまだまだ発展途上だったため、移動手段として自転車が一番早く身近だったのです。
次に、金額的な問題。自動車の大半は役所や工場などの公用車として利用されていて、ガソリンも国の管理下にあるため、個人では持ちにくい状況でした。そのため、個人の給料で買えて燃料のいらない自転車は、労働者の足として欠かせない存在だったのです。
更に、街に大きな自転車用のレーンが設けられ、自転車整理員によって走りやすい環境が整備されたことも理由です。道路に「右折レーン」「直進・左折レーン」まであり、信号と整理員の指示にしたがって綺麗に分かれていくのです。
時代とともに、中国も自転車王国から自動車の普及へと変わり、そして今は自転車シェアサービスや電動バイクの普及が進行しています。