日本最古のタイムカプセル
56億7000万年後の世に伝える――
日本最古のタイムカプセルは、平安時代に埋められた仏教由来の物のようです。
末法思想を抱いた当時の人たちは、1052年(永承7年)に経典や仏具を経筒に収めて土中深くへと埋めました。
これを経塚と言います。
末法とは、釈迦の滅後、年月が経つにつれて正しい教法が衰滅してしまうことです。
1052年(永承7年)は「末法初年」とされていたため、彼らはこぞって経塚を各地の寺に建てました。
経筒には、『般若心経』や『阿弥陀経』などの経典と一緒に、青銅の鏡や刀身、銭貨などが封入され、除湿剤として木炭が同封されていたそうです。
各地で出土した経筒は保存状態もよく、博物館に展示されている物もあります。
56億7000万年とは、後に弥勒菩薩が第二の釈迦となって現れる時代を意味します。そのような未来まで仏教の教えを残そうとした想いこそがタイムカプセルたる所以なのです。
ちなみに、世界最初の本格的なタイムカプセルは、1971年に日本万国博を記念して松下電器産業と毎日新聞社が主催となって作られた「タイムカプセルEXPO'70」が有名でしょう。
こちらは、5000年後の人々へのメッセージを込めて、大阪城跡地の地下に埋まっています。
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