ノーベル賞の謎
日本でも毎回大きな話題になるノーベル賞。ダイナマイトの発明で巨万の富を得たアルフレッド・ノーベルの遺言によるもので、賞金はノーベル財団が管理する彼の遺産(基金)の利子と株式や不動産の運用益などから捻出され、実は財団の財政状況により賞金額は変化します。
賞金の捻出法はというと、まず基金の利子と運用益のうち、10%は元金に追加され、毎年基金は増加しています。残り90%のさらに25%が選考や授賞式などの経費で75%がスウェーデンで授与される物理学賞、化学賞、医学・生理学賞、文学賞、ノルウェーで授与される平和賞の5つの賞に分配されるわけです。
最近では各賞1億円強の賞金になっていて、複数受賞者がいる場合にはさらに分配されます。
経済学賞はノーベルの遺言になかったため、スウェーデン銀行からの寄付で賄われており、正確には「ノーベル記念経済学賞」というものです。
また、物理や化学の基礎分野でもある「数学賞」がないのはノーベルが数学嫌いだったため、数学を重要と思わなかったため、あるいは(女性関係などで)犬猿の仲だったミッターク・レフラーという数学者を受賞させないためになどと言われています。
いろいろ思惑のある賞なんですね。
数学界ではノーベル賞級のものに「フィールズ賞」というのがあり、4年に1度、40才未満の数学者を対象に贈られています。
日本人では、過去に3人が受賞しました。