相撲の土俵が丸いわけ

江戸初期の相撲は、人が円陣を作って、その中で相撲を取っていたと言われます。相手を倒すか、または人垣に押し込んだ方が勝ちという簡単なものでした。

やがて、四方に柱を立て、縄を張り、土を詰めた俵を置くようになりました。しかしこれでは力士が俵に足を取られて危ないということで、俵を土中に埋めるようになりました。

最初は、この俵そのものを土俵と呼んでいましたが、後に勝負する場所全体をさして土俵と呼ぶようになったのです。

以前、岩手の盛岡には、南部の角土俵といって四角い土俵がありましたが、今では土俵と言えば丸いものとなっています。なぜ丸いかというと、追い詰められても土俵の円形をうまく利用すれば無限に回り込めるためです。

相撲の面白さ、奥の深さは、ひとつにこの土俵の丸い事による逆転の可能性にあるのでした。