NHKの受信料

携帯電話や、電気、水道、ガスなどの使用料金を支払わなければ供給を止められてしまいますが、NHKは受信料を支払わなくても視聴そのものはできます。

他人が管理する電気や水道などを勝手に使用すると、窃盗罪に問われることがあります。刑法235条によると、窃盗は財物を盗んだときに成立するとあります。個人のお金や所有物は誰もが認める財物であり、法律ではこれらを「有体物」と言いますが、電気などのエネルギーも物質であり、これを盗むと「エネルギー窃盗」となるのです。

それでは、受信料を払わずにNHKの番組を観ること自体は、窃盗になるのでしょうか?

基本的には、なりません。

これは電波に「管理可能性」がないから、つまり電気のようにメーターで測ることが出来ないからです。

NHKの集金人に、NHKを見ていないことを理由に受信料を払わなくても、詐欺にはなりません。なぜなら、詐欺とは「財物」を騙し取る行為だからです。

しかし、故意に嘘をついていたり悪質なケースでは、別の罪に問われることがあります。

放送法64条1項によると、「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない」とあります。

つまり、観れる環境が実現した時点で契約をしなければならない対象になる、ということです。供給を止められないから、勝手に見続けていい、というわけではないんですね。

もちろん各々で正当性を主張することはできます。ただし、強気に出るには過去の裁判の判例などを見て精査することが望ましいでしょう。

税金もそうですが、受信料を支払うからには、納得の行く使い方を国民に示して欲しいものですね。