ベッドの下

ある女性が上京して一人暮らしを始めた。

ある日、自分の部屋に違和感を覚え、色々調べてはみたが、特に取られた物などは無かった。

彼女は、友達に『夜中に誰かに見られている感じがする』と語っていたという。

友達は『もしかしたらストーカーかも知れないね!』などと冗談交じりで言っていたが、彼女は本気にしていた。

ある晩、ベッドに入っても寝付けなかったので、電気を消したままの部屋で友達とメールをする事に。

何通かやり取りし、そろそろ寝ようと思い、ベッドの下に携帯を置いた。

その時彼女は、携帯のバックライトの光が消える前にとんでもないものを見てしまう。

 

なんと、調度今自分が寝ているベッドの真下に、見知らぬ男がじっと隠れていたのだ。鏡越しに浮かび上がったその光景が目に焼きついた彼女は、恐怖で動く事が出来なかった。

 

どれぐらい時間が経っただろうか。彼女は思い切って、トイレに行く振りをして静かに部屋を出ると、全力疾走して近くの交番へ助けを求めた。

幸い彼女に怪我は無く無事だった。

後日、彼女は犯人の顔を確認する事になるのだが、全く知らない人物だったという。

 

 

暗闇から見つめる視線

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