牛女

西宮市の甲山には、いわく付きの岩がある。

その岩は、道路の真ん中にあり、普通なら邪魔になるため、どかされるはずなのだが、昔から、この岩をどかそうとすると工事関係者に不幸があるという。

そのため、結局岩は残ったままになっているのだが、道が完成した後も妙なことが起こるようになった。その岩のあたりに牛女が出るのだと言う。

あるとき、バイクでやってきた人たちが、その岩を蹴ったりして騒がしく通り過ぎると、はるか遠くのほうから獣のように四つんばいになった女が追いかけてきた。

彼らは全速力で逃げたのだが、結局事故を起こて、亡くなったのだという。

 

 

暗闇から見つめる視線

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