トイレの花子さん

学校の怪談で最も有名な話といえば「トイレの花子さん」ではないだろうか。

学校のトイレに現れる少女のお化けとして、全国各地にその噂が残されている。

トイレの花子さんに共通する特徴は、白いブラウスに赤い吊りスカートを履いたおかっぱ頭の女の子、というものだ。

有名な話では、学校の校舎の三階のトイレで手前から三番目の個室のドアを三回ノックし、「花子さんいらっしゃいますか?」と声をかけるというものである。そこで「はい」と返事が聞こえたならば、中から花子さんが現れて個室に引きずり込まれてしまうそうだ。

花子さんを目撃すると命の保証はないとされる。なぜ花子さんは、そのような恐ろしい事をするのだろうか。

休日の学校に遊びに来ていた少女が、変質者に追われてトイレに逃げ込んだものの、三番目の個室に隠れたところで見つかってしまい、殺されたという説。

生前、父親から虐待を受けていた少女が、顔の傷を隠すためにおかっぱ頭にしていたが、最終的には死んでしまったという説。

戦時中、かくれんぼが大好きだった少女が、学校のトイレに隠れていたところ、校舎が空襲を受けて逃げ遅れたという説。

花子さんのルーツにまつわる伝承は、時代や地域によって異なる。ただ、何らかの厄災の被害にあった少女の怨みが、地縛霊的な存在となり、それを目撃あるいは感知した人の言い伝えによって「花子さん」のような偶像を生み出したのだろう。

もし、あなたの知る学校のトイレに花が飾ってあったら、ぞんざいに扱ってはいけない。その周辺に、かなり信憑性の高い逸話が残されているかもしれない。

江戸時代のころから日本には厠神としてトイレの神を祀る風習がある。赤や白といった花の色、そして「花子」という名前は、そうしたものと無縁ではないのだ。

 

最後に……

 

学校の校舎が三階建てで、トイレが三階にあり、個室が三個以上ならんでいたとしても、絶対に面白半分で花子さんを呼んではいけない。

そして、あなたが誰もいないトイレに一人で入ってしまった時、できれば声を発することを控えた方がいい。

さらに、個室のドアが閉まっているのに、なぜか人の気配がしない場合は、十分に気をつけた方がいい。

昭和の半ば、東京のある女子生徒が小学校のトイレで、こんな替え歌を歌ったらしい。

その後、良くないこと(ここには書けない)が起こったため、友人たちは上記のような規律を自分たちに課して、暗黙の決まりごとにしたそうだ。

その伝承が、今も続いているのかどうかは不明だ。

 

 

花子さーん 花子さーん

でーておーいでー

できれば いっしょに

あっそびーましょー

花子さーん 花子さーん

でーておーいでー

できれば いっしょに

あっそびーましょー

なーにして あっそぶ

XXXX ごっこ

なーにして あっそぶ

□□□□ ごっこ

たーのしいなー たーのしいよー

たーのしいなー たーのしいよー

花子さーん 花子さーん

でーておーいでー

 

 

 

////// 注意 //////

怖い人はここで読むのを止めること

////// 注意 //////

 

 

 

これ以降は、伏せ字にした部分を知りたい人だけが読める。

もし小中学生、あるいは学校に立ち入る関係者が読んでいたら、実際に以下の内容を知ったとしても試さないで欲しい。

地方にはこれに類似する伝承が残されており、本当に悪い条件が揃った時に何が起こるか分からない。

花子さんを遊びに誘う替え歌の中で、四文字の単語を音にはめて歌うと、その通りの事が起こる。特に命の危険に関わるような言葉を替え歌に挿入することが、一時期子供たちのあいだで流行った。

例えば「くびしめごっこ」。他には「きりさきごっこ」。それ以外にも「まるやきごっこ」や「みずぜめごっこ」などである。

無邪気な子供ほど恐ろしい単語を思いつくものである。もしかしたら、あなたも何か思いついたかもしれない。

ここまで読んだ人には言うまでもないことだが、この替え歌を三回繰り返して歌ってはいけない。

伏せ字にするのは、それなりの理由があるからだ。

 

 

暗闇から見つめる視線

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