紫ババア(ムラサキばばあ)

紫ババアは学校のトイレに住み着く妖怪である。

目撃情報では、紫色の着物を着ていて、灰色の長い髪を後ろに垂らし、紫色の紅を塗った唇で不気味に笑う。

もしあなたが学校のトイレで老婆に遭遇したら、絶対に先に話しかけてはいけない。

紫ババアは人間の肝臓を欲しがると言われている。

仮に行動を間違えると、あなたは腹を裂かれて肝臓を抜き取られてしまう。

まず、その老婆が紫ババアであるかどうか、確かめよう。

特徴は、長い爪で鏡を引っ掻く、鏡の中から現れる、あるいは壁の穴から現れる、そして紫色の物を身に着けている、である。

個室ではなく、トイレの空間そのものにいる時にのみ出る、とも言われる。

実は、紫ババアの実態は地域や学校によって違いがある。

そのため、噂話や目撃情報、悪ふざけや嘘の情報が混ざり合って、真実が不明となっている。

紫ババアはいきなり襲って来ることはない。脅かすことはするが、声を上げてはいけない。

冷静にしていると、紫ババアは「好きな色はなんだい」と聞いてくる。

その時、「ムラサキ、ムラサキ、ムラサキ」と三回はっきり答える必要がある。

もし何も聞いてこない場合は、あなたが身に付けている物の中に紫色のものがあるか確認しよう。

その場合も、あなたは襲われない。

落ち着いてトイレから出ていけば、肝臓を抜かれることはない。

暗闇から見つめる視線

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