不思議な学校
小学2年生の時の話。
うちの学校は木造校舎と鉄筋校舎の両方があって、2年生は木造で過ごす事になっていた。
そこで過ごしている1年生に色々な不思議な体験が起こっている。
季節は秋、だったと思う。
国営放送の教育番組を見る授業の時間。外は雨。
10時半から始まる番組をクラス全員で見ていた。
僕は教育番組に飽きていたので、窓の外をぼうっと眺めていた。
すると、まだ午前中なのに急に空が暗くなり始めた。まるで夕方、というよりも夜になっていた。
僕は目を疑った。でも、他のクラスメイトも先生も気がつき始めていたので、見間違いじゃなかった。
全員で窓辺に近づいて外を見る。鉄筋校舎の方の窓際にも人だかりができていた。
日食になるというニュースもないし、どうしてこんなに暗いのか、と皆で騒ぎ始めた。
先生はいつの間にか、教室の外へ行ってしまった。
他のクラスの先生と相談でもしているのだろう、と思った。
しばらくすると、今度はいきなり外が明るくなってきた。
夜明けの映像を早回しで再生するみたいに、みるみる空が明るくなり、いつの間にか普通の曇り空に戻った。
雨はまだ降っていた。
そのまま先生は授業を再開させた。騒ぐ生徒に対して特に説明はなかった。
その日はいつも通りに下校した。
僕は友達となんだったんだろうね、と話題にしたが、数日経つとその話はしなくなった。
後に調べてみたが、あれがどういう気象現象なのか分からない。
晴れた日には太陽が雲に隠れて似たような現象が見られる。でも、あの日は確かに雨が降っていたんだ。