暗室事件
昔、美術大学で起こったと噂される話。
ある学生が、夏休みの前に課題用の写真を現像するために、写真部の暗室を使っていた。
時間が経つのを忘れて作業をしていると、いつの間にか日も暮れて夜になっていた。
そのころ、閉門時間が近づいたため、守衛が館内の見回りを始めた。暗くなった教室に懐中電灯の光を当てて廊下を進む。
写真部の部室に来た守衛は、誰も残っていないと判断し、外側から暗室に鍵をかけてしまう。
それから、長い夏休みに入る。
夏休みが明け、写真部の顧問が暗室の鍵を開けた時、そこには壮絶な光景が広がっていた。
その死体には爪が残っていなかったという。そして壁には無数の引っかき傷があり、どうにか部屋を出ようとした生徒の必至の行動が伺えた。
さらに、体の一部を食べた痕があったという。