サラブレッドはたったの3頭から始まった

自然界には、もともとサラブレッドという種の馬は存在しませんでした。

サラブレッドは、18世紀初頭にイギリスで狩猟用として重宝された馬の品種改良で、背中に人を乗せた状態で速く長く走れる血統をかけ合わせて、徐々に改良したものです。

イギリスでは、土着の牝馬とかけ合わせるためにトルコやアラビア、北アフリカ原産の東洋種を輸入し、血統の改良に努めました。

多くの牡馬が輸入されましたが、最終的に子孫は途絶え、3頭しか残らなかったそうです。

その3頭とは、生年1680年のバイアリーターク、1700年のダーレーアラビアン、1724年のゴドルフィンアラビアンという馬で、現存のサラブレッドの血統をたどっていくとこの3頭にいきつくことから「三大始祖」と呼ばれています。

私たちが目の当たりにしているサラブレッドは、体系も運動能力も洗練されたもので、当時のアラブ種とは比較にならないほど速くなっています。

ちなみに当初の記録に「サラブレッド」という言葉は一切登場せず、単にランニングホースと呼ばれていました。一般にサラブレッドという呼び方が定着したのは、18世紀の末になってからです。