村八分の「八分」ってなに?

仲間はずれにすることを「村八分」と言います。

あまり気持ちの良い言葉ではありませんが、江戸時代にあった十個の行事のうち、八つの共同作業から除かれるという制裁が由来とされています。

十個の行事とは、冠、婚礼、葬式、建築、火事、病気、水害、旅行、出産、年忌で、そのうち葬式と火事を除いた八つの行事から除けらるのだそうです。

なぜそんなことをするのか?

諸説ありますが、昔の村落は生死を共にする共同体であるため、秩序を守らない者や疫病持ちの存在を許すと崩壊につながってしまいます。それを避けるために、今で言う濃厚接触する機会を奪ったのではないか、というのです。

しかし実態として、このような動機の裏には必ず人間的な感情がつきまといます。

有権者の鶴の一声で嫌われ者が排除されたり、組織ぐるみの陰謀で反対勢力への見せしめとした、という事例も少なくありません。

そのため、村八分の「八分」には、除け者にするという意味の「はぶく」や、爪弾きにあうというニュアンスの「はじく」が含まれているという説もあります。