幽霊のおでこの白い布

映画や芝居などに登場する日本の幽霊は、ステレオタイプに描かれる場合、白い着物を着て額に三角の白い布を着けています。

まるで幽霊たちの定番コスチュームのように見えるこの三角布は、「額烏帽子(ひたいえぼし)」または「紙冠(かみかぶり)」と言い、仏教では「宝冠(ほうかん)」と呼ばれているものです。

これは、平安時代に法師らが悪魔祓いの儀式を行う時につけていたもので、当初は黒い絹の三角巾をつけていましたが、死者が地獄の悪魔から逃れるようにと、江戸時代の末から白い紙製のものを死者の額につけるようになったとのこと。

その後、この風習は葬式の参列者にまで広がり、一時は死霊から逃れるために皆が三角巾をつけて参列したと言われています。

すると、幽霊に代わって私たちの方が三角布を身に着けていれば、幽霊なんて怖くない! ということ?