何をしても死なない虫

地球上最強の虫――それは「クマムシ」と呼ばれる生物です。

学名は「milnesium tardigradum」と書かれます。

大きいもので体長約0.5ミリ。泳げないくせに水の中で生活する水棲生物です。

草むらの苔や海岸の砂の中などに生息しています。

このクマムシ、実は物凄い生命力を持っているのです。

・120度で2時間加熱しても水をかければ復活する
・真空状態で1時間ほっておいても生きている
・マイナス195.8度で冷却しても溶かせば復活する
・放射線や強いアルカリといった化学物質にも耐性がある

そして、あらゆる環境に対する絶大な抵抗力で知られています。

・周囲が乾燥してくると体を縮めて樽状(tun)になり、代謝を最小限に保って乾眠(かんみん)する
・通常は体重の85%をしめる水分を0.05%まで減らし、極度の乾燥状態にも耐える
・151度の高温から、ほぼ絶対零度のマイナス272度の極低温まで耐える
・真空から6000気圧の高圧まで耐える
・高線量の紫外線、X線等の放射線に耐える(人体に影響を及ぼす500レントゲンに対して致死線量57万レントゲン)

しかもクマムシは、この状態で数十年以上生存することができるといいます。

博物館の苔の標本の中にいたクマムシの乾眠個体が、120年後に水を与えられて蘇生したという記録もあるから驚きです。

地上最強の生命力……と思いきや、寿命自体はおおよそ半年しかないそうです。