タクシーの業界用語まとめ一覧

タクシー業界に関する世界で使われている業界用語・専門用語の一部を紹介します。時代とともに変化していったものや、現在では使われなくなってしまった言葉も含まれますが、一種の雑学としてお楽しみください。

あ〜お行

相勤(あいきん)
同じ車両をシェアして働く同僚のこと。1台の車を2人の運転手で交互に乗る。
相乗り(あいのり)
別々の客を同じ車に乗せること。客同士で同意しなければ乗せられない。
相番(あいばん)
1台の車を2人で担当する場合の相手方の運転手
青タン(アオタン)
23時から5時までの深夜割増メーター。
赤信号(あかしんごう)
警察による交通取締。
赤恥(あかはじ)
緊急時でないのに防犯灯が作動していること。
赤ランプ(あかランプ)
タクシーが足りない状態のときに使う言葉。
上がる(あがる)
仕事を終えて営業所に帰ること。
明け(あけ)
通常勤務の翌日のこと。一般的にタクシー乗務員は、二日分の労働時間(約16時間)を一勤務で消化するため、次の日は休みとなる。その日のことを「明け番」と言う。
揚高(あげだか)
売上高のこと。「あがり」とも言う。
アサレン
乗務前の洗車当番のこと。
足切り(あしきり)
事前に取り決めた売上の水準を下回ること。ノルマ未達成の状態。
当たり(アタリ)
長距離の仕事。おいしい客。
アヒル
一日の売り上げ高が2万円台で上がること。「2」という字面がアヒルの形に似ていることから。
あぶれ
仕事にありつけないこと。
洗い屋(あらいや)
車庫で洗車してくれる人。その当番。
あんこ
駅待機のレーン等で前後に挟まれて出られないこと。別名「たこつぼ」とも言う。
暗号(あんごう)
地域や事業者ごとに持っている隠語のこと。
行灯(あんどん)
タクシーの屋根についているサインのこと。天井灯ともいい、タクシーは必ずこれを装着しなければならない。
EVタクシー(イーブイタクシー)
電気自動車タクシーのこと。
以回(いかい)
メーター器の指数の一つ。初乗り以降に上乗せされていく料金の回数のこと。
居酒屋タクシー(いざかやタクシー)
サービスの一環として利用者に酒やおつまみなどを提供するタクシーのこと。得意客や新規顧客の獲得のために行われるものだが、かつて公務員のリベートに使われたため問題になったことがある。
一日貸切(いちにちかしきり)
走行距離ではなく時間でタクシーを借りる契約のこと。事前に事業所で手続きをする必要があり、その場でタクシーを止めて貸し切ることは出来ない。
一輪車(いちりんしゃ)
相番がいなくて、一人で使用している営業車のこと。
一発(いっぱつ)
長距離のお客さんに当った時。
入れ食い(いれぐい)
列車の運休や大雨などで、客を降ろした途端に次の客がつかまるような状態のこと。
入れチャボ(いれちゃぼ)
売上計上の締め日に足切りラインを超えない場合に、自腹で補填することでペナルティを回避すること。
インカチ
景気が悪いこと。お客さんが少ないこと。沖縄の方言である。
上(うえ)
高速道路のこと。「上を使う」などと言う。反対語は下、地べた。
裏番(ウラバン)
同じ車をシェアする同僚のこと。相番と同じ意味。自分が乗っている時の裏に乗る人。
運行管理規程(うんこうかんりきてい)
運行管理者を専任して乗務員に対して行う指導や教育の決まり。
運行管理者(うんこうかんりしゃ)
乗務員の勤務時間、睡眠時間、休憩時間、健康状況などを管理、監督する人のこと。
運賃ブロック(うんちんブロック)
同じ運賃が適用される地域のこと。
運転者証(うんてんしゃしょう)
運転者の資格を有することを証明するもの。乗客が見やすい位置に掲示する義務がある。
運転代行(うんてんだいこう)
お酒を飲んで車を運転できなくなった人から依頼を受け、依頼者と車を代理で目的地まで送り届けるサービス。
営業キロ収益(えいぎょうきろしゅうえき)
2002年2月1日付けに道路運送法の改正に伴い施行された制度。タクシー(一般乗用旅客自動車運送事業)は、資格要件が整っていれば誰でもできるようになるというもの。
営業許可(えいぎょうきょか)
客を乗せている状態での収益の計算方法。走行キロ=実車キロ+空車キロ(実車は客を乗せている状態)、総売上/実車キロ=営業キロ収益一キロ当たりの収益を表す数値。運賃が高ければこの数値は上がる。深夜は割り増しが働くためその分高くなる。速度が10km以下になると、時間でメーターが働くため、キロ当たり数値は基準値より高くなる。
営業区域(えいぎょうくいき)
タクシーが営業を許可されている区域のこと。法律により、各タクシー会社が営業できる区域は指定されている。
AVM無線配車(エーブイエムむせんはいしゃ)
Automatic Vehicle Monitoring System の略で、運行中のタクシーの状態をモニター、管理できるシステムのこと。現在の車輌の位置、状況(空車、迎車、待機、休憩、食事、緊急)等の情報から、注文に最適な車両を配車することができる。
A型(エーがた)
タクシー会社の給与体系の一つ。基本給、年功給、家族手当などの固定給と売上に比例して変動する歩合給で構成されている。
AB型(エービーがた)
タクシー会社の給与体系の一つ。実質B型と同じ。月例給の一部を積み立てておき、賞与として支給する方式。
駅出し(えきだし)
駅前専門の営業方法あるいはその営業方法をとるタクシーのこと。
駅付け(えきづけ)
駅前で付け待ち営業をするタクシーのこと。駅待ちともいう。
駅弁タクシー(えきべんタクシー)
各駅毎、または各鉄道線毎にあるタクシー会社のこと。主に戦前からある古いタクシー会社に対して言う。
エコーカード
タクシーの車内に備え付けられている利用者ご意見カードのこと。葉書になっているので、直接会社に届けることができる。
枝(えだ)
幹線道路から別れた裏道のこと。
LPガス(エルピーガス)
ほとんどのタクシーはガソリンではなくLPガスで走っている。ガススタンドの場所は限られるが、ガソリンよりも割安のため、膨大な距離を走るタクシーにとってはメリットである。
遠距離割引(えんきょりわりびき)
ある一定の料金を超えると料金が割引になる制度のこと。
遠足(えんそく)
長距離予約のこと。
円タク(えんタク)
1924年(大正13年)に大阪、1926年(大正15年)には東京に登場した、市内を一円(当時)均一で走るタクシーのこと。
エントツ
タクシーメーターを正しく操作しないで、料金をドライバーが着服する行為のこと。昔のメーターは空車表示が旗のように上に立っていて、これを横に倒すことで作動する仕組みだった。
往復割引(おおふくわりびき)
タクシーを往復で利用した場合に、帰りの料金が1割引になるサービス。利用の際には事前に予約が必要となる。
大型車両(おおがたしゃりょう)
タクシー運賃を定める車種区分の一つ。普通自動車で乗車定員6名以下のものをいう。
大きな忘れ物(おおきなわすれもの)
大きな事件を起こした犯人。警察から無線によって情報提供される。「大きな忘れ物です」と流してから犯人の特徴などを言う。
オートン
水商売関係の人たちがタクシーの事を「オートン」と呼ぶ地域がある。
おカマ
追突事故を起こすこと。後ろから突入するため、「カマ掘った」などと言われる。
置き針(おきばり)
上客が乗る時間帯に、その客の家の近くに駐車して待つこと。
送り(おくり)
その日の売り上げをいったん締めた後、翌日の売り上げに充てるための売り上げを作ること。
お座敷(おざしき)
運行管理者が乗務員を呼んで注意をすること。花柳界で芸者を呼ぶときに使う言葉から転じ、「お座敷をかける」というように使われる。
遅番(おそばん)
昼の12時以降に出庫する車両のこと。朝出庫する勤務は「早番」という。
オタマジャクシ(おたまじゃくし)
ワンメーターで終了すること。660円の6がオタマジャクシに似ている事から。
お茶(おちゃ)
無線配車されて客を迎えに行った結果、キャンセルまたは客がいないこと。
落ちる(おちる)
無線配車指示のこと。
お手上げ(おてあげ)
空車で走行中に路上で客を見つけること。
お供(おとも)
高級料亭などで使われるタクシーやハイヤーを指す言葉。
お供先(おともさき)
高級料亭などの配車で、運賃を客から直接もらうこと。
お化け(オバケ)
夜間の遠距離利用客。

か〜こ行

カード決済(カードけっさい)
タクシー料金をカードで支払うことができる機能。実装当初は不正カード使用が多く、その対策に追われた。
開局(かいきょく)
無線でセンターに対して使う言葉。「乗務開始します」の意味。
介護タクシー(かいごタクシー)
ヘルパーの資格を持った乗務員が、移送サービスをしてくれるタクシーのこと。
回送(かいそう)
給油、食事、休憩、帰庫などの理由で走行中のため客を乗せる意思のない状態。表示灯に「回送」と表示する。
回送料金(かいそうりょうきん)
タクシーを電話で呼んだときに、現在地から利用者の所までの回送に要する費用を償うための料金のこと。「迎車料金」ともいう。
下限運賃(かげんうんちん)
ある地域において可能な初乗り最低運賃のこと。
囲う(かこう)
無線を利用する客と仲良くなって、直接依頼を受けること。
駕篭抜け(かごぬけ)
タクシー料金を払わずに逃げること。
加算(かさん)
初乗り以降に上乗せされていく料金のこと。「爾後(じご)」とも言う。タクシーの運賃計算は初乗りと加算に分かれており、それぞれ距離に応じた金額が決められている。
カス
短距離の仕事。別名「ハズレ」とも言う。
カタツムリ
東個協系の個人タクシー。別名「でんでん虫」とも言う。
カバンの忘れ物(カバンのわすれもの)
不審者を乗せた時に用いる合言葉。無線で危険を知らせるときに使う。
紙屑(カバンかみくず)
少額のタクシーチケットのこと。
神立ち(かみだち)
駅前のタクシー乗り場などで、タクシーが足りずに行列ができている状態のこと。
神の手(かみのて)
売り上げを確保するために身銭を切ること。「ぶっこみ」や「いれちゃぼ」と同じ意味。
観光タクシー(かんこうタクシー)
時間制の料金で観光地を回るサービス。観光地の情報に精通した乗務員も多く、お勧めスポットの案内を頼むこともできる。
感度(かんど)
客が多いか少ないかを表す体感。
感度不良(かんどふりょう)
警察によるネズミ捕りが行われていることを知らせる隠語。地域や時代によってその表現は移り変わる。
偽装回送(ぎそうかいそう)
回送状態でないにも関わらず、表示灯に「回送」を出して一般客の乗車を断る行為。長距離客を探したり、サボりたい場合に用いる手段。
偽装迎車(ぎそうげいしゃ)
迎車状態でないにも関わらず、表示灯に「迎車」を出して一般客の乗車を断る行為。長距離客と交渉して、料金を安くする代わりに差額を着服するような悪質なケースもある。
客引き(きゃくひき)
乗務員が車から離れて利用客を勧誘すること。
客待ち(きゃくまち)
駅や病院、ホテル等で利用者を待っている状態のこと。
キャッチ
流し営業中の空車タクシーが客を捕まえること。
キャブ不良(キャブふりょう)
タクシー強盗やトラブルのこと。
近セン(きんせん)
タクシーの業務を適正化する「タクシー近代化センター」を表す言葉。後に「タクシーセンター」という名称に変わる。
近セン問題(きんセンもんだい)
「タクシー近代化センター」にまで行ってしまったクレームのこと。
空気清浄機(くうきせいじょうき)
禁煙タクシーの普及や感染症の予防の観点から、タクシー車内への空気清浄機の設置が標準となる。
空車(くうしゃ)
利用者を乗せていない状態のこと。表示灯に「空車」と表示されていれば、そのタクシーは利用可能であることを示す。
空乗(くうじょう)
客を降ろして空車になったとき、すぐに別の客が乗車すること。
空転(くうてん)
メーター作動後に営業が成立しない状態のこと。この場合、営業所や無線センターに営業不成立の申し立てを行い、メーター集計金額から営業不成立だった金額を引いて納金する。正常に処理しないと不足分は自腹を切ることになる。
クーポン
タクシー専用の金券のこと。特定の会社しか使えないものと、地域全域のタクシーで使えるものがある。
雲助(くもすけ)
住所不定の人物。または悪事を働く者。江戸時代の駕籠者(かごのもの)を揶揄する言葉が由来。
クラス(クラス)
タクシーのランク。法人タクシー事業者は、タクシーセンターが設定した評価基準に基づきAA・A・B・Cの4段階にランク付される。ランク評価はタクシー事業者に対する評価であって、タクシー乗務員の評価ではない。
グリーン経営(グリーンけいえい)
京都議定書の目標達成が義務付けられている日本政府が、運輸業界に求めている環境保全に配慮した経営対策。
黒子(くろこ)
休日出勤者のこと。本来居ないはずの出勤者。
黒塗り(くろぬり)
ハイヤーに多く見られる黒い車体の営業車のこと。
迎車(げいしゃ)
客の居る場所まで空車で向かうこと。表示灯に「迎車」と表示する。
迎車板(げいしゃばん)
無線予約などで客の居る場所まで向かう際に、空車表示を隠すために使用するもの。
迎車料金(げいしゃりょうきん)
無線予約などで客の居る場所まで向かう際に発生する、現地へ到着するまでの間の料金のこと。この料金を無料にするサービスを行っているところもある。「送迎料金」とも言う。
経路料金(けいろりょうきん)
経路を予め特定した料金体系のこと。A地点からB地点まで幾らというように決まっている形。
撃沈(げきちん)
渋滞などの不測の事態に遭遇して売り上げに響くこと。
下車勤(げしゃきん)
配車係や事務係などの、非乗務員が不在の時に、乗務員が代わりにその勤務につくこと。車を下りて対応することから。
ゲソ
東京都の足立ナンバーのタクシーのこと。昔のナンバープレートの表記が「足(ゲソ)」だったことが由来。
ゲタ
1ヵ月の最低水揚げ額の事。
桁落ち(ケタおち)
売上の桁が伸びない短距離客のこと。ワンメーターの客。
ケツ番(ケツばん)
タクシー乗り場の一番最後尾に着く事。反対に、先頭は「鼻番」と言う。
ケツわれ
体調不良などにより、所定の帰庫時間より前に営業所に戻ってくること。
ゲテ
ゲテモノの略。ガラの悪い客や酔っ払いのこと。
蹴飛ばし(けとばし)
乗車拒否のこと。
圏外(けんがい)
乗務員が持っている広域地図の範囲を超えて、長距離走行すること。現在ではカーナビがあるため問題は少ない。
ゲンコツ
遠方からの帰り道に、営業区域外の客を乗せて、メーター操作をごまかして売り上げを着服すること。
検車(けんしゃ)
タクシー出庫前の事前点検のこと。
現収(げんしゅう)
運賃を直接現金でもらうこと。
現着(げんちゃく)
現場到着の略。配車要請があった場合、現地に到着した時に、無線連絡を入れる。
公休(こうきゅう)
あらかじめ定められた休暇のこと。
交差(こうさ)
営業車の事故のこと。基地局に連絡する際に使用する。
530(ゴーサンマル)
初乗り530円の地域でワンメーターのお客。別名「ゴミ(五三)」とも言う。
工事中(こうじちゅう)
警察によって交通取り締まりが行われていること。
降車強要(こうしゃきょうよう)
何らかのトラブルにより、乗車中の客に車から降りてもらうこと。
公出(こうしゅつ)
公休日に昼だけ勤務すること。
高速メーター(こうそくメーター)
高速道路専用のメーターのこと。高速道路を走行するときに、高速ボタンを押すと距離のみで運賃が計算され、時間での加算はされなくなる。
構内(こうない)
駅構内のこと。駅の中は狭いので、多くのタクシーが侵入すると混乱が生じる。そのため、構内に入れる会社を指定して、構内使用料を取る方式がとられた。
小型車両(こがたしゃりょう)
タクシー運賃を定める車種区分の一つ。小型自動車のうち、自動車の長さが4.6メ-トル以下で乗車定員が5名以下のもの。
乞食(こじき)
他のタクシーに対する配慮を無視して、自分の客にしようとする乗務員のこと。
個室(こしつ)
トイレのこと。
個人タクシー(こじんタクシー)
個人で運営するタクシーのこと。1人1車制個人タクシー事業という。
子育てタクシー(こそだてタクシー)
子育てタクシー養成研修を受けたドライバーによる子供を安全に輸送するタクシー。
こども110番(こどもひゃくとうばん)
子供が犯罪の被害に遭わないように、自らの施設を避難所として提供すること。
ゴミ(五三)
初乗りが530円の地域でワンメーターの客を表す言葉。料金や地域によって異なる隠語が作られる。
ゴミ掃除(ゴミそうじ)
近距離客にしか巡り合わない日のこと。
コロ
短距離客のこと。
コンビニタクシー
コンビニとタクシーが協力し、双方にメリットのある形で利用すること。コンビニは、駐車場をタクシーの待機場所として提供し、タクシー乗務員は、車内や店内からコンビニ内で異常がないかチェックすることでコンビニ強盗に対する抑止力としている。

さ〜そ行

最高運賃制(さいこううんちんせい)
地域ごとに最高運賃が設定され、その額から1割程度低い額が最低ラインの運賃となる。最低運賃より更に低い運賃を設定したい場合には、それが不当な競争にならないかどうか審査が行われる。
最後尾(さいこうび)
タクシー乗り場などで、長い行列ができた時の一番後ろの位置。
差し繰る(さしくる)
順番を無視して割り込みで客を奪う行為。
サポートCab(サポートキャブ)
民間救急車のこと。救急性の低い時などに病院までの送迎などで利用できる。救急車とは異なり有料である。
サンキューハザード
道を譲ってくれた時に出すハザードのこと。やらなければいけない規則はないが、いつの間にか一般化した。
三桁(さんけた)
1,000円以下の料金しか稼げない短距離の仕事。
シートカバー
シートに掛けられたカバー。通常、週一回ごとに交換する。
GPS-AVM(ジーピーエス・エーブイエム)
AVM方式の無線配車で、車輌の現在位置取得にGPSを用いる方式のこと。
GPS無線配車(ジーピーエスむせんはいしゃ)
GPSを用いて車両状況を管理し、効率的に配車を行うシステムのこと。
JRマーク(ジェイアールマーク)
駅の構内に入る権利を持った車両がつける標識。
Jタク(ジェータク)
JRが開発したタクシー関連商品。
時間貸し(じかんがし)
観光タクシーや冠婚葬祭の送迎など、時間契約で運賃を決めること。
時間距離併用制(じかんきょりへいようせい)
タクシーの料金計算方法の一つ。通常、タクシーの運賃は距離で計算されるが、走行速度が一定限度より遅くなると、時間で上がるように自動で切り替わる構造になっている。渋滞に巻き込まれた際に、相対的に収益性が低くなることへの対策として導入された。
時間帯規制区域(じかんたいきせいくいき)
東京、大阪のタクシー特別規制法における、時間帯進入規制区域のこと。
時系列システム(じけいれつシステム)
車両の一日の動向を把握するための車載機能。出庫から帰庫まで走行時間や走行距離、最高スピード、乗車状態などを時間経過と共に記録しておき、後からチェックできるようにするもの。
時系列メーター器(じけいれつメーターき)
タクシーのメーター器は、走行キロ、実車キロ、初乗り回数、加算回数の累計数値を記憶する。時系列メーターはその他に、一回毎の仕事について時間、キロ数、売上金額、スピードも記憶する。
爾後(じご)
初乗り以降に上乗せされていく料金のこと。
支度金(したくきん)
入社時時に支度金という名目で賞与を与えること。転職者を募る目的で実施している会社も多いが、支度金目当てで応募してくる者も多い。
下っ走り(したっぱしり)
高速道路が使える地域にも関わらず、比較的長い距離を一般道で走ること。
実車(じっしゃ)
タクシーが客を乗せている状態のこと。表示灯は「賃走」となっている。
実車率(じっしゃりつ)
タクシー独特の輸送効率の指標。実車キロ/走行キロの数値で表し、50%を下回ると輸送効率が悪いとされる。
実働率(じつどうりつ)
営業車が稼働している割合のこと。
自動ドア(じどうドア)
客がタクシーに乗り込む際に、後部座席のドアが自動で開く機能。
支払い(しはらい)
メーター器の状態の一つ。「実車/賃送」状態の時に一時停止すると、時間換算で料金が加算されてしまうため、料金支払いの時などに切り替える。
自腹回送(じばらかいそう)
事業区域内の移動などで、営業所の経費として認められない有料道路の通行料。
地べた(じべた)
一般道のこと。また、目的地が高速道路を使用できる場所にも関わらず、高速道路を使わずに一般道で走行すること。長距離でも一般道だと時間効率が悪いため、高速を使う客の方が好まれる。
車庫扱い(しゃこあつかい)
通常であれば迎車料金を徴収するタクシー会社が、契約により徴収できない客のこと。提携先のホテルや病院など。
車庫待ち(しゃこまち)
タクシーの営業方法の一つ。電話で注文があった場合に配送するか、直接乗り込みがあった場合に出庫する。都心部では、車庫待ちだけで営業する車を、ハイヤーとして区別する。
車内事故(しゃないじこ)
客を乗せて走行中、急ハンドルや急ブレーキを掛けたことによって、客が車内に身体をぶつけてしまうこと。
しゃぶり
客の財布の中身をしゃぶり尽くす事から来ている隠語。
社名表示灯(しゃめいひょうじとう)
タクシーの屋根に付いているサインのこと。「あんどん(行灯)」とも言う。タクシーは必ずこれを装着しなければならない。
車両管理請負業務(しゃりょうかんりうけおいぎょうむ)
企業が保有する車両についての管理を一括で請け負うこと。乗務員の派遣、車両の保守、点検、修理、事故処理、自動車保険業務など。
車両消毒(しゃりょうしょうどく)
定期点検整備の際に行う消毒のこと。法律で義務付けられている。
車両別料金(しゃりょうべつりょうきん)
車種ごとに異なる運賃のこと。「特定大型・大型・中型・小型」などがある。「中型・小型」を「普通車」と統一している地域もある。
ジャンボ車両(ジャンボしゃりょう)
特定大型車のこと。普通自動車及び小型自動車で乗車定員7名以上、最高は乗務員を入れて10名のものをいう。定員11人以上はバスになる。
出庫(しゅっこ)
営業所や車庫から出発すること。予約した客先や駅に向かう。
乗回(じょうかい)
乗車回数の略。メーター器の指数の一つ。基本回数とも言う。
乗禁地区(じょうきんちく)
法律で定められた流し禁止区域のこと。タクシーがこの区域内で客を拾うと法律違反となる。羽田空港や銀座周辺。
上下(じょうげ)
一回の運行で、出発地と目的地を往復すること。またはその客。非常に時間効率が良いため、おいしい仕事となる。「ダブル」とも言われる。
乗車拒否(じょうしゃきょひ)
利用者の運送申し込みを断ること。タクシーは公共の乗り物のため、運送引き受け義務がある。正当な理由がないのに乗車拒否した場合は法律違反となり処罰される。
乗務員(じょうむいん)
タクシーを運転する人のこと。自動車の第二種運転免許の取得が必要。
助役(じょやく)
営業所所長を補佐する立場にあり運行管理者の資格を有する者。
白タク(しろタク)
自家用車を使って、無免許でタクシー営業をすること。自家用車のナンバープレートは白色で、タクシーは緑色である。自家用車ナンバーでタクシー行為をすることは、法律で禁じられている。
新婚さん(しんこんさん)
ワンメーターしか乗らない短距離客のこと。
身体障害者割引(しんたいしょうがいしゃわりびき)
身障者手帳を提示すると、運賃が10%割引になる制度。
深夜料金(しんやりょうきん)
午後11時から午前5時までの割り増し料金のこと。労働基準法では、午後10時以降の労働に対して、2割増の賃金を払うことになっているが、タクシー業界では、慣習的に一時間後ろにずらして設定している。
スーパーサイン
タクシーの全面に置かれている「空車」や「賃走」を表示する機器。
ストロベリー
15,000円のこと。「イチゴ」のゴロが変化したもの。
スペア
自分の乗る車両が決まっていない乗務員のこと。
スリップ制(スリップせい)
迎車走行中から初乗り運賃が発生すること。この料金をサービスで無料にするところが増えている。
0番地(ゼロばんち)
火葬場や霊安室などを指す隠語。地域や会社によって異なる。
送迎料金(そうげいりょうきん)
無線予約などで客の居る場所まで向かう際に発生する、現地へ到着するまでの間の料金のこと。この料金を無料にするサービスを行っているところもある。「迎車料金」とも言う。
早朝割増し(そうちょうわりまし)
早朝5時以前の割り増し料金のこと。深夜割増と同じように運賃を割り増し計算し、5時になると自動的に普通運賃になる。
側乗(そくじょう)
見習いのために助手席に便乗すること。
その場(そのば)
客をおろしたその場で、他の客を乗せること。
ゾンビ
深夜の路上でタクシーが捕まらずに徘徊している客のこと。

た〜と行

大事な忘れ物(だいじなわすれもの)
事件に関した人物を乗せた場合に用いる隠語。
大日本帝国(だいにほんていこく)
東京の大手タクシー会社4社の俗称。大和自動車交通、日本交通、帝都自動車交通、国際自動車。
倒す(たおす)
客を乗せた回数のこと。昔のメーターが倒すと作動することから。
焚き屋(たきや)
夜の繁華街などで、タクシー目当てで路上に出てくる客に対して目的地を聞いて、短距離だと断る行為。
タクシークーポン
タクシーの運賃支払いに使うことが出来る金券のこと。商品券や、図書券と同じように、事前に指定金額分のクーポンを購入する前払い制となる。
タクシー自働車株式会社(タクシーじどうしゃかぶしきがいしゃ)
日本に初めて誕生したタクシー会社。1912年(大正元年)東京、数寄屋橋(現在の銀座)で営業を開始した。
タクシーセンター
タクシー業界を健全に保つために設立された第三者機関。業務内容は、タクシー運転者の登録、指導、研修、地理試験、乗場管理、苦情、要望、忘れ物の受け付けや処理など。
タクシー代行(タクシーだいこう)
お酒を飲む等で車を運転できなくなったドライバーに代わって、目的地まで車とドライバーを送り届けるサービス。乗務員2名がタクシーでドライバーの元へ向かい、ドライバーはタクシーに乗車する。もう1人の乗務員がドライバーの車を運転して目的地まで運ぶ。
タクシーチケット
タクシーの運賃支払いに使うことが出来る乗車券のこと。タクシー利用時に必要事項が記入されたチケットを渡して後払い形式で処理するもの。
タクシーチャンネル
2010年8月より東京都内のタクシー車内に試験的に設置されたデジタルメディアのこと。2011年3月から正式運用が開始された。
タクシーの日(タクシーのひ)
8月5日はタクシーの日。1912年(大正元年)同日、数寄屋橋(東京・銀座)に日本で初めてタクシーが誕生したことから。
タクシーベイ
空港や駅にあるタクシー乗り場のこと。
タクシーメーター
タクシーの運賃を管理するメーターのこと。運転距離や所要時間に応じて料金額を計算し、自動的に表示する。1年に1度検査があり、厳重な管理の元、運賃額を不正に操作出来ないように鉛で封印される。タクシーは必ずメーター器を備えなければならないと法律で定められている。
タクシーランク
東京タクシーセンターが2001年度から推進している「タクシー事業者ランク評価制度」のこと。東京の法人タクシー事業者を対象に、接客面、安全面、法令遵守に関する情報を東京タクシーセンターが収集し、評価する。100点満点から減点法で評価点数を算出し、AA、A、B、Cの4段階に分類する。高い評価を得た事業者は、人称ステッカーを貼ることができる。
タコグラフ
時間・速度・距離が記録される円盤状の用紙と、それを記録する装置。これによって乗務員の営業状態、行動を把握することができる。
たこつぼ
駅待機のレーン等で前後に挟まれて出られないこと。別名「あんこ」とも言う。
ダブル
一回の運行で、出発地と目的地を往復すること。またはその客。非常に時間効率が良いため、おいしい仕事となる。「上下」とも言われる。
たまごっち
屋根に付いている料金表示灯のこと。
タリフ
運賃、または運賃表のこと。
ダンピング
不当に安い値段にすること。タクシー運賃を勝手に変えてはいけないので不正行為となる。
小さな落し物(ちいさなおとしもの)
犯人が使用した凶器。
チェアキャブ
消防局の許可をもらってるワゴンタイプのタクシー。ストレッチャーごと乗せることができる。
チャーター
乗務員付きで期間や時間を決めて借りる契約のこと。
着地(ちゃくち)
客が降車した場所のこと。
着発(ちゃくはつ)
到着した場所で、直ぐに客が見つかり次の目的地へ出発すること。
チャブリ屋(ちゃぶりや)
東京銀座や大阪北新地の時間帯規制区域において、客が乗りやすい場所を占領し、その場で客引き行為を働いて、都合のいい客だけを乗せる。
チャンガラ
会社の中で一番古い車やポンコツ車のこと。
中型車両(ちゅうがたしゃりょう)
タクシー運賃を定める車種区分の一つ。小型自動車のうち、自動車の長さが4.6 メ-トル以上で乗車定員が6名以下のもの。
帳合い(ちょうあい)
掛け売りのこと。ツケのこと。
調整(ちょうせい)
食事休憩などのこと。
提灯(ちょうちん)
大手個人タクシー組織の日個連のタクシーのこと。
提灯行列(ちょうちんぎょうれつ)
夜の繁華街で客を拾うために、一方通行の道を低速で流すこと。
ちょんこ
近距離の客のこと。「ちょこっと」「ちょっと」が由来と言われている。
地理試験(ちりしけん)
タクシーセンターで行われる試験で、これに合格しないと乗務することができない。
賃走(ちんそう)
メーターを入れて走行している状態のこと。運賃発生中の意味。
付け待ち(つけまち)
駅前やホテル等にあるタクシー乗り場で乗客が来るのを待つこと。
つめこみ
車両に乗せれるだけ乗せて、一人頭いくらのような形で料金を請求する方法。
定員(ていいん)
車両に対して決められている乗車人数の上限。
定額制運賃(ていがくせいうんちん)
あらかじめ料金と運行区間が決まっている運賃制度のこと。
低公害車(ていこうがいしゃ)
環境に配慮した仕様の車両のこと。ハイブリッドや電気など。
定時制乗務員(ていじせいじょうむいん)
正規の乗務員よりも稼働数が少ない、アルバイト乗務員のこと。
鉄砲(てっぽう)
当日欠勤のこと。九州地方のスラング。
出払い(ではらい)
駅前などのタクシー乗り場にいた待機車が全ていなくなってしまった状態。
デマンドタクシー
タクシーとバスをミックスしたような一種の乗り合いタクシー。自治体とタクシー会社が協力して運営しているところが多い。
でんでん虫(でんでんむし)
日本最大の個人タクシー組織、東個協の通称。車両の屋根にかたつむりのサインが付いている。
伝票(でんぴょう)
タクシーチケットのこと。または、タクシーチケットを持っている客のこと。
てんぷら
複数の客が乗車して千円以内の短距離で終わる仕事のこと。
電話線工事中(でんわせんこうじちゅう)
スピード取り締まり区間を伝達するときに使う隠語。
ドアポン
ドアを開けた時に、後ろから来た自転車やバイクにぶつかること。
東京交通新聞(とうきょうこうつうしんぶん)
東京交通新聞社が発行しているハイヤー・タクシー業界の全国紙。
冬季割増(とうきわりまし)
積雪の多い北海道・東北地方などで12月下旬~2月末頃まで適用される運賃体系のこと。通常の2割増となる。
統計(とうけい)
輸送統計のこと。
同時実車(どうじじっしゃ)
流しで客が乗ったと同時に、無線配車が入ってしまうこと。
遠割(とおわり)
遠距離割引の略。
とぐろ巻く(とぐろまく)
駅構内などのタクシー乗り場で、スペースに入りきれずに構内の入口付近に停車しているタクシーがある状態。
途中乗車(とちゅうじょうしゃ)
無線配車指示を受けたが、スーパーサインを「迎車」「予約車」に変更する前に、近くにいた客から手を挙げられること。この場合は手を挙げた客が優先される。
特勤(とっきん)
公休日や明番に出勤すること。
トップ
待機場所の一番先頭のこと。
飛ぶ(とぶ)
長距離客を乗せて行くこと。
止まり木(とまりぎ)
客待ち出来る場所のこと。
伴車(ともしゃ)
霊柩車の後ろに続いて斎場から火葬場へ走ること。
どようなみ
暴走族のこと。
ドライブレコーダー
走行中の映像を記録しておく装置。事故を起こした場合に証拠として扱われる。
トン切れ(トンぎれ)
一日の売り上げが、一万円に満たなかったとき。

な〜の行

長い調整(ながいちょうせい)
何らかの事情で勤務を休むこと。
流し(ながし)
街中を走行しながら客を探すこと。
流し営業(ながしえいぎょう)
空車で走行しながら客を探す行為。
中抜き(なかぬき)
タクシー乗り場で順番待ちをしているタクシーの先頭ではない車両に乗車すること。タクシー会社指定のタクシーチケットを持つ利用者が行うことが多い。
流れ弾(ながれだま)
官庁や大手企業の前で目当ての客を待っているときに、関係のない客に捕まってしまうこと。
流れない(ながれない)
タクシー乗り場の回転率が悪く、なかなか順番が回ってこない状態。
納豆(なっとう)
初乗り710円の地域で、ワンメーターの客のこと。
生(なま)
死体を表す隠語。
鳴る(なる)
GPS配車が掛かること。
荷崩れ(にくずれ)
利用者が始めに言った目的地よりも手前で下車してしまうこと。
二次災害(にじさいがい)
いい客や無線を捕まえられる時間帯に、近場の客を乗せてしまい、チャンスを逃すこと。
ニシャサン
2台の営業車を3人の乗務員で回す勤務シフトのこと。
20(にじゅう)
暴力団の客。ヤクザ(893)を足すと 8+9+3=20 となる。
第二種免許(にしゅめんきょ)
タクシー乗務員になるために必要なライセンス。タクシー・ハイヤーを運転する場合には、普通二種が必要で、乗車定員10人以下の営業用普通自動車が運転可能。
日勤(にっきん)
朝から夕方までの乗務日。
日車(にっしゃ)
「一日実働1車当たり」の略。売上、走行キロ、実車キロ、人数などの、実際に稼動した車の一日当たりの平均値。
日報(にっぽう)
乗務員が提出を義務付けられている、1日の全作業の報告書のこと。1回毎の仕事について、乗車場所、降車場所、乗車時間、全走行キロ、実車キロ、仕事の回数、加算回数、等終了時のメーター指数などを記録して、出発時の指数との差額で運賃額を計算する。
入庫(にゅうこ)
出庫中に故障や修理などのために車庫へ戻ること。
ネギ
客から入った苦情のこと。京都の「九条ネギ」にかけてできたダジャレ。
ネコババ
降りた客の忘れ物を、届け出ないで自分の物にしてしまう行為。
年間輸送人員(ねんかんゆそうじんいん)
年間に統計で得られた利用者数の値。
燃料(ねんりょう)
食事休憩のこと。
脳梗塞(のうこうそく)
「NO高速」にかけたダジャレ。高速に乗るような仕事がなかった日に使う。
ノコギリ
客を降ろして、空車になった先で無線が入り、自分の営業エリアに戻ること。
乗り合い(のりあい)
タクシーは、基本的に一組の客に対して貸切契約を結んで利用する形態だが、複数の異なった客を乗せる乗り合いタクシーも見られるようになった。ただし、乗り合い形式で営業するには、国土交通省の許可が必要となる。
乗り込み(のりこみ)
駅のタクシー乗り場や車庫から乗車する利用者のこと。

は〜ほ行

パイ
利用者が乗った金額のこと。
ハイエナ
他のタクシーへの配慮を無視して、客を奪っていく乗務員のこと。
配車板(はいしゃばん)
営業所に号車番号・ナンバープレート・昼勤・夜勤の乗務員の名前が貼り出されている場所。
配TEL(はいテル)
タクシーがあとどれくらいで到着するか、または到着した旨を電話で知らせるサービス。
ハイブリッドタクシー
ハイブリッドカーを使用した低公害車両のタクシーのこと。
ハイヤー(Hire)
利用客の要請に応じて配車に応じる運転手付きの自動車サービス。日本ではタクシーの一種として位置づけられている。ハイヤーは流し営業を禁止されている。
ハズレ
短距離客のこと。
発地(はっち)
客を乗せた場所。
初乗り運賃(はつのりうんちん)
タクシーに乗った時の最低料金のこと。
初乗距離短縮運賃(はつのりきょりたんしゅくうんちん)
通常の初乗り距離を短縮して、その分の初乗り運賃も値下げし運賃のこと。
鼻番・端番(はなばん)
タクシー乗り場などで、先頭になること。最後尾につく場合は「ケツ番」と言う。
はまる
タクシー乗り場に並んだものの、いつまでも順番が回ってこないこと。
早番(はやばん)
朝出庫する勤務のこと。午後出庫する勤務のことは「遅番」と言う。
ばらまき
一度に何人か乗せて、一人づつ降ろしていくこと。
パンダさん
交通取締などを行っている場所を無線で知らせるときに使う隠語。
B型(ビーがた)
タクシー会社の給与体系の一つ。給与=売上×○○%という単純な式で求められるため、問題も多い。
VICS(ビックス)
カーナビ等に利用される道路交通情報通信システムのこと。
姫(ひめ)
女性客のこと。
福祉車両(ふくししゃりょう)
車椅子や寝台が積める構造になっている車両のこと。
ぶっこみ
予め決められている売り上げに満たない月に、自腹を切って基準をクリアする行為。
振替(ふりかえ)
会社の指定で行かざるを得ない仕事をした場合に、無線配車にて優先的に貰える仕事のこと。
プレミアムタクシー
福岡市で始まったサービスで、一年以上無事故、無違反で、かつ会社から推薦された乗務員が、利用者へ「おもてなし」の心を提供し、地域の伝統文化の振興につなげるもの。
閉局(へいきょく)
無線機の電源を落として営業を終了すること。
ベタ
高速道路ではない一般道路。または、一般道路を走ること。
へたる
流しの営業でなく、タクシー乗り場などで客待ちをすること。
ベロタクシー
自転車タクシーのこと。
ベンツタクシー
車両にベンツを使い差別化しているタクシー。婚礼用やVIP用のハイヤーとして使っている事が多い。
便利タクシー(べんりタクシー)
日常のちょっとしたことを代行してくれるサービスを実施しているタクシーのこと。
防護板(ほごばん)
乗務員の座席の客が乗る後部座席を防犯のために仕切る板のこと。
防災レポートタクシー(ぼうさいレポートタクシー)
災害が発生した際、車内に緊急電話を搭載し被害現場の生の状況を東京都災害対策本部及びマスメディアに提供する役割を担うタクシーのこと。
法人タクシー(ほうじんタクシー)
会社組織が運営しているタクシー業務。またはそのタクシー。
ポーター
利用者がスムーズに乗車できるようドアサービスやトランクサービスを行う人のこと。
ボッチ
迎車ボタンのこと。
ポッポー
客を乗せた状態でメーターを入れずに目的地まで送迎し、徴収した料金を着服する行為。
本工事(ほんこうじ)
「工事中」が警察の取り締まりを指すのに対し、本当の道路工事のこと。
本番(ほんばん)
朝から深夜までの勤務のこと。
ポンポコ
「何処行くの?」と聞かれたときの「食事だよ」という意味。
本務(ほんむ)
営業車に乗務しているメインの乗務員。サブの方を代務と言う。

ま〜も行

マイク外し(マイクはずし)
営業中の禁止行為を行ったペナルティーとして、何乗務か無線配車を受けられないようにすること。
マイレージ
航空会社のポイントサービスのこと。タクシーも参加している会社があり、乗車した金額に応じてポイントが貰える。
まくる
他のタクシーを追い抜くこと。ガンガン流す時にも言う。
マグロ
付待ちが苦手で常に流している乗務員のこと。
マス
駅や病院などにあるタクシー乗り場のこと。
マスターズ制度(マスターズせいど)
優良個人タクシー事業者認定制度のこと。
待ちメーター(まちメーター)
無線配車で指定場所に現着した際、または待ち合わせ時間になった場合、待ちのボタンを押して5分後から作動するメーター。
まな板(まないた)
駅や空港に定着しているドライバーのこと。
真抜き(まぬき)
タクシー乗り場で順番待ちをしている際に、順番がきていないのに、乗車してきた客を乗せて出発してしまうこと。
マル食(マルしょく)
食事のこと。食事に入ること。
○珍良好(マルちんりょうこう)
前方に進路妨害の車輌(暴走族等)が現れたこと。
マル酔工事(マルよこうじ)
飲酒取り締まりの検問のこと。
マン切り(マンぎり)
一日の売り上げが1万円を切ること。
マンコロ
1万円を超える遠距離客のこと。
満車(まんしゃ)
駅のタクシー乗り場などに待機中のタクシーが一杯でこれ以上入れない状態。
万収(まんしゅう)
1万円以上の良い仕事のこと。大当たり。
未収(みしゅう)
運賃の支払い方法の一つ。現金支払いではなく、タクシーチケットやクーポンなどで処理すること。
水揚げ(みずあげ)
営業売上のこと。その日の売上高。
水溜り(みずたまり)
無線室で使われる「速度違反取締り」を示す言葉。
緑ナンバー(みどりナンバー)
タクシーのナンバープレートのこと。旅客自動車運送の営業車として登録されている車に交付される。
未無(みむ)
GPS無線を開局状態でエンジンを切ってしまい、指示内容が解らないまま取消しになってしまうこと。
無応答(むおうとう)
GPS無線配車などで配車依頼を受けたにもかかわらず無視すること。
無線協同組合(むせんきょうどうくみあい)
個人や法人会社が集まってグループで無線配車を行う組織のこと。
無線配車(むせんはいしゃ)
電話や予約で配車の依頼が入った際に、出庫中のタクシーに無線で指示を与え、客の指定場所へ向かわせること。
無賃乗車(むちんじょうしゃ)
お金を払うつもりがないのにタクシーを利用した客のこと。駕篭抜けとも言う。
無賃乗車件数(むちんじょうしゃけんすう)
無知乗車が起こった統計。
メーター検査(メーターけんさ)
料金メーターを検査すること。年に一度検査を行う事が義務付けられている。
メーター不倒(メーターふとう)
メーターを倒さずに客を乗せて走行すること。
目隠し(めかくし)
葬祭の共車に行く際、スーパーサインの文字色が赤い部分や広告を隠すこと。
メリット
乗務員の緊急、非常事態の暗号のこと。
喪(も)
行政処分を受けた後、増車など事業計画の変更ができない期間。

や〜よ行

夜警(やけい)
夜だけ出てくる夜専門の事務員のこと。
野菜炒め(やさいいため)
羽田空港の近くにある市場のこと。
やっこ
他者に迷惑をかけてまで売上を揚げているドライバーのこと。
有線(ゆうせん)
電話のこと。
有料中(ゆうりょうちゅう)
交通違反の取り締まりを乗務員に知らせるための隠語。
ユニバーサルデザインタクシー
ユニバーサルデザインを取り入れ、誰でも利用できるやさしいタクシーを目指して開発された車両のこと。
夜ガラス(よるガラス)
夜勤務を強いる人のこと。
予定(よてい)
食事に入ることを示す言葉。食事が終わって仕事に戻る際には「予定終わり」などと報告する。
予約料金(よやくりょうきん)
予約をした際に掛かる特別料金のこと。迎車料金とは異なる。迎車料金が掛からない会社でも、予約料金は掛かる場合がある。
四コロ(よんコロ)
一日の営業収入が4万円台である事。それ以下だと三コロ、二コロとなる。
四社(よんしゃ)
東京の大手タクシー会社4社の俗称。大和自動車交通、日本交通、帝都自動車交通、国際自動車。
四社カラー(よんしゃカラー)
東京の大手タクシー会社4社が採用している車両カラーのこと。黄色いボディーに赤ラインが入っていて、行灯は球型に統一されている。
四社チケット(よんしゃチケット)
東京の大手タクシー会社4社が発行しているタクシーチケット。各社共通で使える。

ら〜ろ行

らーめんタクシー
観光タクシーの一種。タクシーを貸し切ってラーメン店を巡り、全国的に有名な「博多ラーメン」を堪能できる。
落下物に注意(らっかぶつにちゅうい)
ネズミとりなどが実施されているときに注意を促す言葉。
ラッピングクシー
車体が広告で包まれたタクシーのこと。
リース制(リースせい)
胴元が車両を貸して、ドライバーが売り上げの一部を胴元に支払うビジネスモデル。事業者が営業権を勝手に又貸しすることは禁止されているので違法行為となる。
利益配分制(りえきはいぶんせい)
タクシーの給与制度の一つ。権利の又貸しとして禁止されているリース制に近い形態で、基準法違反とならないように修正されているモデル。
料金(りょうきん)
ここで言う料金は、迎車、深夜割増などにあたる。運賃は認可制だが、「料金」は届け出制のため。タクシー会社が自由にきめることができる。
領収書(りょうしゅうしょ)
メーター器と連動して発行されるレシートのこと。
累進歩合(るいしんぶあい)
一定の売上に達すると乗務員の取り分が増える賃金体系のこと。乗務員の給料は、基本給+歩合給という形が基本になっているが、歩合給だけという場合もある。
列車代行(れっしゃだいこう)
事故や災害等で列車が運行されない場合に、客をタクシーで輸送すること。
ローカル
駅前から離れた住宅街などで営業すること。
ロータリークラブ
駅前のロータリーを取り囲むように並んでいるタクシーのこと。
ろく
チップのこと。
ロング
遠距離乗車の仕事。

わ〜ん行

ワカメ
回送のこと。回送に海草をかけた駄洒落。
忘れ物(わすれもの)
客が社内に置き忘れた物品。
和装割引(わそうわりびき)
着物や浴衣、羽織袴などを着用して利用した場合に1割引になるサービス。
ワンコインタクシー
初乗り料金が500円のタクシー。
ワンメーター
初乗り運賃のこと。または近距離で終わる仕事のこと。